私の英語の喋り方はこうだ。
とにかく言いたいことを言い、そこから相手に自分の伝えたいことを汲み取ってもらって「まぁそんなかんじ」と答える。
言葉が続かなくなれば「あなたはどう思う」と放り投げる。
相手の意見にはとりあえず「わかるよ」と相づちを打ち、
知らない単語が出てきても、知ったかぶりをしながら会話の流れで推察する。
文法も時制もめちゃくちゃな英会話だ。
そのスタイルは高校の休み時間中に行っていた卓球を彷彿とさせる。
私はラリーを続けたいがために盤外へ落っこちた球を球技場の壁に叩きつけて跳ね返し、
サーブができないからといつも対戦相手にサーブ権を譲っていた。
その結果いまだに卓球のルールはよくわからないままである。
そろそろそんな無責任な言葉のボール遊びをやめたくて、昨年から英会話学校に通っている。
無責任で適当な性格はあまり治っている実感が無いけれど、盤外に落ちそうな球はすんでのところで拾えるようになってきた。
会話の流れで単語を想像する癖は未だに健在であるが、その精度は上がってきている(ポーカーフェイスも上達した)。
私の通う飯田橋のブリティッシュ・カウンシルは、グループレッスンを受けられる英会話学校である。
かつてウィーンに留学していた時、現地でドイツ語のグループレッスンを受けていて楽しかったので、
英会話を始めるならグループレッスンにしようと決めていた。
ここのコース(myClass)は、1回90分のレッスンを好きな時間に受けられる。
受講生は3,4人…多いときでも10人程。
毎時間テーマとなるトピックが
ひとつあり、それについて受講生や先生と意見を交わしたり、
問題を解いたりしながら、英会話で使えるフレーズや単語を学んでいく。
90分の間に日本語を使うことは無い。新しいフレーズや単語の意味を説明するときも、英語が用いられる。
レッスンには様々な人が集う。
イギリスに本社のある会社で働く人もいれば、配偶者の渡航についていくために通う人、外国籍の受講生もいる。
その人のもつ背景によって使う言葉や発音、選ぶ単語の癖があることも面白い。
ドイツ語学習時には個人レッスンやタンデムの経験もあったが、これらのシステムが私はあまり得意ではなかった。
自分の言いたいことを根気強く待ってくれる&自分が理解するまで噛み砕いて説明してくれる相手との会話だけだと、
自分がどれくらい上達したかを実感しにくいのだ。
それよりも、実践に近い状態でどれだけ会話が出来るかを試したほうが、自分の苦手な部分を把握できる。
練習試合のような感覚だ。
このたび、ブリティッシュ・カウンシルのアンバサダーに選ばれた。
このブログでもこれから数回にわたり、私がどんなふうにレッスンを受けているのか書いていこうと思うのでどうぞお付き合いいただきたい。
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ここからは私の個人的に見つけた目標の話になる。目下のところ私の今の目標は、副詞のボキャブラリーを増やすことだ。
副詞をもっと活用できたら、自分の持つYesとNoの間に広がる微妙な角度をうまく表現できると思ってのことだ。
私はブリティッシュ・カウンシルで英会話を始めるまで、その度合いをうまく伝えられないもどかしさを味わってきた。
音楽家である私は、楽譜に並ぶおたまじゃくしには様々な表現方法があることも、
強弱記号のピアノとフォルテの間には多くの表現の選択肢があることも知っている。
曲を深く読み込んで表現したものを共演者やお客さんと共有できた時、私は嬉しさで胸がいっぱいになる。
音楽だけではない。英語だってそうだ。
外国人の指揮者が練習中に言い添える指示は、その人柄をあらわすのだ。
指揮者の伝えたい真意がぽーんと胸に飛び込んできた時、私は英語を学んでいてよかったなと思う。
そして、そのあとに思うのだ。
私も、言語にとらわれずに自分の気持ちを伝えることに全力を尽くしたいと。
私にとってブリティッシュ・カウンシルは、表現の幅を広げるための重要な学びの場なのだ。
アンバサダー就任後のはじめての記事は個人的な背景に終始してしまったが、
次回はブリティッシュ・カウンシルで英会話をする際にどのような工夫をしているか、書こうと思う。
レッスンを受けることに関して、音楽家ほど経験値の高い人もいないだろう。
ブリティッシュ・カウンシルでは現在「春の英語ペラペラキャンペーン」を行っている。
興味を持った方はこの機会に体験レッスンに是非足を運んでみてはどうだろうか。
教室の窓から見える神田川の葉桜は、気持ちよさそうに春の風に吹かれている。
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